IPOに挑む企業が知っておくべき内部統制の3つの心得と実践法
2025年12月01日

IPOを実現すれば「知名度・社会的信用・資金調達能力」が向上し、優秀な人材を確保しやすい企業に成長できます。ただし道のりは険しいため、戦略的に取り組むことが大切です。
今回は、準備を進める上でもとくにハードルが高い「内部統制」に関して、IPOに挑む企業が知っておきたい心得、実践法をまとめました。
IPO準備企業に必須!内部統制の心得
①内部統制には「早めに本腰を入れて」対応
内部統制の導入・構築は、とにかく時間がかかるのでIPO準備企業は「早めに本腰を入れて対応する」のが重要な心得になります。
多くの経営者が「創業期から着手するのがベスト」と断言していますが、それほど企業の“仕組みづくり”に早期に取り掛かる必要があります。
審査に通過した後も、上場を維持するためのコストは継続的に発生します。早々に“安定した利益を生み出す基盤”を整備しておけば、長い準備期間中に資金ショートの危機に陥ることもありません。
リスクコントロール効果も高いので、「審査前に不正が発覚」なんて事態も避けられます。
②IPO準備に“内部統制の整備”が必要な2つの理由
・IPO審査の対象項目
「内部統制の整備」はIPO審査の対象項目に含まれているため、準備段階で着手する必要があります。
内部統制の整備は、最短でも2~3年かかるのが一般的なので、審査直前に小手先で誤魔化せるものではありません。
社員を疲弊させないためにも、スケジュールに余裕をもたせることを心がけておいてください。
・上場後も「内部統制報告書」を提出
IPO企業には「内部統制報告書」の提出が義務付けられています。新規上場企業も例外ではなく、上場直後の決算のタイミングで報告書を提出するルールです。
準備段階の初期から取りかかっておけば、上場後の慌ただしい時期も運用と評価に注力できます。スムーズなスタートアップのためにも、早めにアクションを起こしておいた方が賢明です。
③刑事罰も?内部統制を適当に済ませるデメリット
内部統制の整備を適当に済ませると、数々のデメリットを伴うことになります。手抜きのせいで、上場審査が長期化している企業も珍しくありません。
審査が長引くほど経済的なコストが膨らみ、従業員の負担も大きくなります。しかも、内部統制報告書の内容に虚偽が発覚すれば「金融商品取引法」の違反で、刑事罰を受けるおそれもあります。
ステークホルダーの信頼を損ねる芽を摘むためにも、1つ1つの課題を確実にクリアしていきましょう。
IPO実現を目指す!「内部統制の実践法」
“内部統制の目的”を社内で共有
IPO実現を全社的な取り組みとして浸透させるためにも、「内部統制の目的」を社内で共有することが大事です。
コンプライアンス違反が原因で上場廃止に追い込まれる企業も後を絶たないため、社員一人ひとりの意識づけは非常に重要です。
内部統制の目的は「資産の保全」など4つありますが、いずれも重要度の高いものです。
「形式的な文章で通達して終了」、「口頭で文章を読み上げて終了」といった表面的な周知の方法だと、社員の当事者意識を引き出せません。
経営者自身が内部統制を重視する姿勢を従業員に示したり、研修を繰り返し実施したりする対策が有効です。
現状の把握
内部統制を実践するには、現状の把握が先決です。単なるスローガンで終わらせないためにも、現在の業務フローが抱える問題点をあぶり出す作業が求められます。
業績が好調でも、業務プロセスに信頼を損なうようなリスクが内在していれば、IPO審査では落とされてしまいます。
いくら利益を生み出していても「リスクを軽視する従業員」や「業務の不透明な部分」を放置していれば、爆弾を抱えているようなものです。
これまで属人化していた部分や、“暗黙の了解”で流していた部分を「見える化」し、監視する人間がいなくてもクリアな状態で運用できる体制の構築が必須です。
財務会計へ移行
ほとんどのIPO準備企業は、内部統制と並行して「税務会計」から「財務会計」へ移行しています。
これまで単なる「決算作業」でしかなかった会計のやり方を、ステークホルダーなど社外向けのやり方に切り替えるわけです。
準備期間中の移行は必須ではないとはいえ、内部統制の強化にもつながるため、税務会計のままIPO準備を進めるのは得策ではありません。
審査でも財務会計に基づく決算書の作成が必須で、会計システムのやり方も「内部統制の要件に対応できているか」厳しくチェックされます。
監査法人の選定
監査法人の選定は、内部統制の整備と同時進行で進めるのが効果的です。適切な監査法人を選定・依頼すれば、専門家の知見を活かしながら内部統制を実践できるからです。
自社業務の専門知識に明るく、実績が十分にある法人を選定しましょう。
ただし内部統制がボロボロの状況で依頼しても「改善するようアドバイスしても協力しないのではないか?」、「虚偽表示が発覚する確率が高い」などと判断され、断られてしまうこともあるので要注意です。
業務効率化ツールやサービスの導入
IT統制も内部統制の重要度の高い項目になります。適切な会計システムを導入すれば財務データの正確性も増すため、経営陣が的確な経営判断を下すための基盤にもなり、内部統制も強化できます。
IPO審査でも業務効率化ツールやサービスを業務フローに組み込んでいる企業は、「データを正確に管理し、迅速に報告できる環境が整備されている」と判断されます。
そもそも準備期間は多忙を極めるため、各フェーズの課題をスムーズにクリアするためにも、ITツールは欠かせません。
IPO審査の評価ポイント!内部統制の構築に役立つ“社内教育システム”
社内教育システムを導入するメリット
IPO審査では、社内教育が適切に行われているかどうかもチェックされます。
とくに受講記録を自動記録できる社内教育システムは、全社的な社員教育を“体系的かつ効率的に”実施していることを証明する強力なツールになります。
「社内研修システム=内部統制を構築・運用している証拠」として判断されるためにも、導入するメリットはおおいにあります。
「IPO準備+人材育成」を同時に叶えるサポートツール
社内教育システムは、「IPOの準備」と「人材育成」を同時に叶えるサポートツールになります。
IPOを目指す過程では深刻な人手不足に陥る企業が大半を占めますが、採用活動だけではなく、人材の育成もおろそかにできません。
上場にあたり「反社リスク」、「インサイダー取引」など、全社員の学習範囲も広がります。
社内教育システムを導入すれば審査にもプラスに働く上、人事担当者の負担を減らし、社員にも継続的な学習の場を提供できます。
IPOにおける内部統制が基礎から学べる【サイバックスUniv.】
リスクモンスター株式会社の「サイバックスUniv.」は、IPOに挑む企業の間でも人気の高いオンライン研修サービスです。
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1人600円/月!「反社リスク」など約5,000種類の階層別研修
月々の利用料金は、1人600円~の定額制で、他社と比較してもかなりの低コストが魅力です。
IPO準備には莫大な費用がかかるため、低コストで本格的な社員教育システムを導入できるサイバックスUniv.は、中小企業にも大変人気があります。
ビジネスの基礎から、「反社リスク」、「コンプライアンス」など上場企業に必須のテーマまで、約5,000種類の階層別研修が揃っています。
同じテーマでも新入社員と管理職では、学習するポイントが異なります。立場に応じてピンポイントで刺さる内容が学べるのも、大きな特徴です。
ワークも充実!内部統制を「基礎」と「事例」で学べる
内部統制に関しても「基礎」と「事例」で学べるプログラムが用意されています。
講師の講義を個人で視聴する「セミナースタイル」に加え、講師や受講者が双方向のコミュニケーションをとりながら学べる「ゼミスタイル」の研修も選べます。
より実践的なワークも充実しているので、メリハリのある学習スタイルで全社員の知識を底上げできます。
受講履歴を一元管理できる「研修ポータル」を搭載
最新のオンライン研修システムを採用しているので、受講履歴を一元管理できる「研修ポータル」も搭載されています。
IPO審査では、とくに内部統制やコンプライアンス関連の研修を計画的にしっかり実施しているかを厳しく見られます。
「誰が(社員名)・いつ(受講日時)・何を(研修コンテンツ名)・どのように(受講状況)」受講したのか、履歴を自動記録できるので、教育実施の証明を求められた時も簡単に提示できます。
進捗度や理解度テストの結果も確実に保存・管理できるので、審査の通過率UPに貢献するはずです。
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コラム執筆者
「サイバックスUniv.」会費制サービスは、eラーニングと公開研修あわせて約5000コースが定額で受け放題となるサービスです。1998年4月より「企業の未来は人材が創る、伸びる人材が企業を創る」をコンセプトに、ITを取り入れた新しい教育スタイルを提供しております。幅広い研修ラインアップをご用意しており、業種や職種を問わず、現在3,000社以上のお客様にご利用いただいております。