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ファシリティマネジメントとは?活用事例やメリットを詳しく解説

2023年06月15日


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ファシリティマネジメントとは?

 

会社の保養所、ぼろぼろの幽霊屋敷になっていませんか? だれも行かないような施設でも、維持するためのコストは毎年かかっています。不要なコストをカットした分ふだん使うオフィスに最新設備を完備すれば、働く意欲も自然に上がるはずです。

 

企業の建物や設備をよりよい状態に管理するファシリティマネジメントは、バブル期の負の遺産がごろごろしている日本ではとくに有効な経営戦略になります。コストダウンや収益アップが同時にかなえられる有益な手段です。

 

今回は、ファシリティマネジメントの活用事例やメリットを詳しく解説します。

 

ファシリティマネジメント(FM)とはどんなビジネス用語?

ビジネスでよく使う横文字は、カタカナやアルファベットばかりで意味がわかりにくいものも・・・。ファシリティマネジメント(FM)も、意味をつかみにくい用語の1つです。

 

ファシリティマネジメントとは

ファシリティマネジメントは、経営に関わる設備を経営戦略の1つとして管理することを指します。土地や建物、設備、構築物など保有するすべてを、経営の視点で最適な状態にするマネジメント方法です。

 

維持するだけではなく、価値を最大限引き出すために貸し出しを行うこともあります。

 

目的は?施設管理との違い

ファシリティマネジメントは、従来の施設管理とは全然ちがいます。「ファシリティ=施設+マネジメント=管理する」とそのまま日本語に訳しても、このビジネス用語の正確な意味を理解できません。

 

ファシリティマネジメントにおける“ファシリティ”には、施設や設備など物理的なものだけではなく、社員がふだん過ごすオフィス空間や目に見えない資産的な価値も含まれています。

 

単純な施設管理は建物や設備を維持するのが最大の目的で、毎日の維持管理、設備に不具合が生じたときの修繕、入れ替え業務がメインになります。

 

一方、ファシリティマネジメントの最大の目的は生産性の向上です。コストを抑えつつ利益が最大になるよう、収益に結びつく経営活動にも取り組みます。

 

人事や財務と同じ並びで、企業の事業を支える経営基盤の1つという扱いです。

 

ファシリティマネジメントのメリット

企業の施設は維持から運営の時代に移り変わっています。ただ、本格的にファシリティマネジメントを導入する場合はあらたに人材を雇用、育成しなければなりません。

 

有効活用のための修繕、設計、建設費用など、先行投資も必要です。それでも、ファシリティマネジメントがうまくいけば多方面に渡りメリットが生まれるため、投資額を大幅に上回る有形・無形のリターンが見込めます。

 

コストの削減

コスト削減はファシリティマネジメントを導入する最大の目的でもあります。きちんとマネジメントされていないファシリティは、会社の金食い虫です。

 

ほとんど使っていない施設に、毎年多額の運用コストを費やしているケースもめずらしくありません。オフィスのコストは総費用の10%以下に抑えるのが理想的とされています。

 

ところが、施設に関するコストはあちこち分散されていることが多く、現状を正確に把握するのがむずかしい状況でした。

 

ファシリティマネジメントを導入すれば、1つ1つのファシリティを見直した上で、修繕するなり活用するなり対処することになります。

 

複数の部署を横断して結論を出すため、設備の廃止など大きな決断も可能です。施設管理部署が単独でがんばって節約にはげんでも、抑えられる金額には限度がありました。

 

ファシリティマネジメントを実践すれば、今までにない大幅なコストカット効果を見込めます。

 

資産価値の低下をセーブ

資産価値の低下を抑制することも、見逃せないメリットです。コスト削減は重要な目的の1つとはいえ、施設や設備をがむしゃらに撤廃するわけではありません。

 

今ある建物や施設を修繕、改築して資産価値を守る対策も必要です。劣化を最小限にセーブしつつ有効活用すれば、あらたに建築、購入するコストもかかりません。

 

レイアウトを変更して余剰スペースを生み出し、収益化のためにテナントとして貸し出す戦略も効果的です。

 

生産性がアップ

ファシリティマネジメントの施策がうまくいくと、コスト削減効果と並行して生産性の向上も見込めます。オフィスの光熱費カットを名目に、冷暖房の使用頻度を下げるような対策は論外です。

 

従業員が快適に働ける環境を整えないと、生産性も思うように上がりません。不要なコストを削減するだけではなく、使用頻度が高い設備はお金がかかっても快適な状態にします。

 

ふだん使うオフィスを動きやすいレイアウトにする、最新設備をそろえる・・・など、従業員のやる気を上げる経営戦略です。

 

ぼろぼろの古い保養所をピカピカにリニューアルするだけでも、従業員のテンションが上がり資産価値も高くなります。

 

ステークホルダーの満足度が向上

ファシリティマネジメントの施策に成功すると、不要なコストを最小限に抑えながら従業員や顧客、その他の関係者にとっても快適な施設を保有できるようになります。

 

古くなった建物と設備にかかるコストは日本全体の問題でもあるため、理想的な運用をする企業として社会的な評価も高まるでしょう。

 

ステークホルダーの満足度も向上し、優秀な人材も集まりやすくなります。

 

ファシリティマネジメントの活用事例

ファシリティマネジメントを経営に落とし込むのは簡単ではない中、成果を上げている事例をピックアップしました。

 

2社の成功事例

株式会社スクエアエニックス

2012年、会社の移転をきっかけにコミュニケーションを活性化させるオフィスづくりに着工。

 

行動心理学をベースにしたレイアウトを採用し、音・光・香りなど環境にこだわったリフレッシュスペースも設置しました。社員がわくわくして働くための場づくりに成功しています。

 

GMOインターネット株式会社

10社以上分散していたグループ会社を集約し、第2本社を構築。本社と第2本社の2棟体制に移行しました。

 

託児所やマッサージ&おひるねスペースなど福利厚生に力を入れた設備を増やして社員のモチベーションを向上させ、業績アップに結びつけています。

 

FM研修のコスト戦略

ファシリティマネジメントの知識は身につけておいて損はありません。専門の会社で働く場合はもちろん、一般企業でも総務のお仕事の延長線上にあります。

 

大がかりな施策は長期計画を立てる必要がありますが、まずは基礎知識を身につけるため研修を受けるところから着手する会社も増えています。

 

研修方法もオンラインならすぐに導入できる上、コストも大幅に抑えられます。コスト戦略の一環として、研修の方法も吟味しましょう。


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コラム執筆者

リスクモンスター株式会社 教育事業担当
リスクモンスター株式会社 教育事業担当

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