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人生100年、仕事50年時代の学び直し(リスキリング)~なぜ、今「学び直し」なのか?~

2023年04月14日


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圧倒的に学ばない日本のビジネスパーソン

-学び直しの本質と変革の本質-

■大多数が学んでいない

人生100年仕事50年時代と言われ、ビジネスパーソンは「変身する力」が求められています。50年間仕事する時代に、一度身につけた知識やスキルでは通用しないからです。生涯にわたる学習と探索が求められており、リスキリング(DX時代の人材戦略)、リカレント教育(仕事と学校の循環学習)という言葉が流行ってから久しくなりました。

 

しかし、日本のビジネスパーソンはどのくらい学びと探索をしているでしょうか。まずは、リクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査」の時系列を見ていきます。すると、大多数61.4%のビジネスパーソンが自発的に学んでいない実態が見えてきました。時間軸を広げて2016年から見ても、約6割の人が自ら学んでいないのです。

 

Q:あなたは昨年1年間に、自分の意志で、仕事に関わる知識や技術の向上のための取り組み(例えば、本を読む、詳しい人に話をきく、自分で勉強する、講座を受講する、など)をしましたか?(2021年データは、正規の職員・従業員17,668人)

全国就業実態パネル調査の図表1

出所:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」より筆者作成

 

この数字は、他国と比較するとどうでしょうか。次にパーソル総合研究所(2019)の国際比較を見ていきます。すると、断トツで学んでいない姿が浮かびあがってきました。

 

「自分の成長を目的として行っている勤務先以外での学習や自己啓発活動」についての問いに、「特に何も行っていない」と回答した人が46.3%。
これは2位のオーストラリアの21.5%を大きく引き離して、断トツのワーストワンです。ベトナムの2.0%、インドネシアの2.3%、中国の6.3%と比べると、「大丈夫か!この国は?」と不安になってきます。

 

Q:あなたが自分の成長を目的として行っている勤務先以外での学習や自己啓発活動についてお知らせください、で「特に何も行っていない」と回答した人の割合(各国1,000サンプル)

APAC就業実態・成長意識調査の図表

出所:パーソル総合研究所 「APAC就業実態・成長意識調査(2019年)」より筆者作成

 

「日本では仕事を通して(OJTで)学んでいるのだ」という反論があるかもしれません。確かに、仕事を通して学ぶこと(経験学習)はオトナの学びの一つの大きな柱です。しかし、仕事を通して学ぶだけで、自発的・主体的な学習と変革をすることなしに、変化の激しい時代に生き延びていけるでしょうか。しかも、今となっては、OJTもどれだけ機能しているかもかなりあやしいです。 

■ただ何となく学ばない

では、なぜ日本のビジネスパーソンは学ばないのか?その理由を見ていきます。「忙しいから」「費用が高いから」「学んでも会社が評価しないから」などの理由が考えられます。私も、忙しさが学びの最大の障壁だと考えていました。しかし、実態は違います。日本のビジネスパーソンが学ばない理由の筆頭は「特に理由がない」でした。つまり、理由などなく、ただ学ばないだけなのです。

 

以前、時間の使い方に関する長期にわたる調査結果を見たことがあります。高度成長を経て、日本人の仕事時間は着実に減り、家電製品の普及・進化で家事時間も劇的に減りました。その代わりに余暇時間が増えました。ここまでは実感としてわかります。

 

では、増えた余暇時間で一体何をしているのでしょうか?学習・スポーツ・趣味・旅行などに費やす「ポジティブな余暇時間」はあまり増えていません。増えているのは、きれいに言えば「ニュートラルな余暇時間」、実態はテレビ・You Tube・SNSなどを見ている「ぼおっとしている時間」が増えているだけなのです。データから見えてくる実態は、「忙しいから学ばない」のではなく、「時間があっても学ばない」ということです。

 

Q:学び行動をとらなかった理由を教えてください(正規の職員・従業員n=7,401)

全国就業実態パネル調査の図表2

出所:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2018」より筆者作成

■人事はチェンジ・エージェントとして何をすればよいのか?

日本経済が凋落している一端はこの「学ばない」ことにあるのではないでしょうか。自ら学ばない=変化できないビジネスパーソンが大多数を占める組織・国に未来があるようには思えません。

では、人事部部門は変革の推進者として、社員の主体的な学び(自ら学ぶ)を促進するために何ができるでしょうか?

 

このコラムでは、その大原則を提示して終わりにします。組織開発やキャリア開発の第一人者であるE・シャインは、「学習と変化における2つの原則」を提示し、学習・変化の動機づけは、「『生き残りの不安』を認識する一方で、心理的安全性によって『学習することへの不安』を軽減しなければならない」(シャイン,2016)と述べています。

 

原則1―生き残りの不安あるいは罪悪感が、学習することへの不安よりも大きくなければならない

原則2―生き残りの不安を増大させるよりはむしろ、学習することへの不安を減らさなければならない

 

生き残り不安(“このままではマズい・・・”という危機感)>   

           学ぶ不安(“うまくできるようになるか・・・”不安)

 

上記の不等式が成り立つ状態を、組織の中に作っていかなければなりません。その際、「このままでいったらどうなるかわかっているよね」という危機感を必要以上に煽るのは得策ではないのです。それは、人は極度の脅威や不安に前にすると、防御反応か逃走反応をとってしまうからです。

 

では、皆さんの組織で、この不等式を現実に当てはめようとした時に、どんなコンセプトで、何をしたらいいのでしょうか?手始めの施策は何でしょうか?

 
※関連コラム:リスキリングとは?DX時代に必要な導入方法や事例などを解説(2023年6月14日掲載)

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コラム執筆者

長谷川 岳雄
長谷川 岳雄

明星大学 経営学部 特任教授/株式会社みらいへ 代表取締役

 

1991年早稲田大学商学部卒業、2004年早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻修了。
経営学修士(MBA)、キャリアコンサルタント(国家資格)、MBTI認定ユーザー

 

1991年オリックス株式会社入社。法人金融サービス部門の営業に従事。その後、大学院修士課程を経て、人事部にて勤務。新卒採用、研修の企画・運営、人事制度・評価報酬制度の企画・運営を担当する部署の責任者を歴任。2013年に独立し、(株)みらいへ設立。大学教員・企業研修講師として活動。三重大学特任教授を経て、現在は明星大学経営学部特任教授。専門は、キャリア開発とリーダーシップ。

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