どうなる同一労働同一賃金!?
「局長通達」と「労使協定方式Q&A」では派遣現場は完全カバーできない?(前編)

2019年09月18日

2020年4月の同一労働同一賃金制度のスタートまで残すところ7ケ月。厚生労働省職業安定局は7月8日に「局長通達 (※1)」、8月19日には「労使協定方式Q&A (※2)」を発表しました。事業者や労務の専門家からはすべてのケースをカバーしていないので、現状の内容では派遣先や派遣スタッフに十分説明できないなどの声が多数寄せられています。
当コラム編集部では早速、数社の派遣会社に来春に向けてどのような準備をしているのか調査を始めました。
今回の前編では「局長通達」から「労使協定方式のQ&A」までの概略について振り返り、後編(10月掲載予定)では各社の準備がどこまで進んでいるのかをレポートします。

出典:厚生労働省 派遣労働者の同一労働同一賃金について

「労使協定方式」と「派遣先均等・均衡方式」

まずは「局長通達」と「労使協定方式Q&A」の概略について、順に確認していきましょう。
来年4月以降、派遣労働者の待遇が変わり賃金体系を二方式で扱ういわゆる「労使協定方式」「派遣先均等・均衡方式」を適用すること、これは以前のコラムでも触れました。(2018年09月19日掲載:https://www.cybaxuniv.jp/haken/column/05/
従来は派遣料金を決めて、その中から派遣時給を設定する考え方でしたが、今後は派遣労働者の賃金ベースに合わせて派遣料金を請求する考え方に変わります。多数の派遣会社の取り組みの傾向を見ていると「労使協定方式」を適用しようとしていますが、職種やエリアによっては「派遣先均等・均衡方式」を適用しなければならないケースがあるので、派遣事業者が両方式に対する十分な理解が必要と言えるでしょう。

■参考:厚生労働省 平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>
https://www.mhlw.go.jp/content/000469167.pdf

また多数の派遣会社が適用するであろう「労使協定方式」では、前述の「局長通達」の示す金額をもとに職務に密接に関連する賃金、賞与、退職金を派遣先の水準と合わせて決めていかなければなりませんが、職務に密接に関連しない住宅手当、通勤手当などは派遣元の基準をベースに設定しても良いということになっています。賃金構造基本統計調査、職業安定業務統計をもとに派遣会社の皆さんは賃金ベースを作っていかなければいけません。

「昇給」「地域指数」「通勤費」

年次の昇給について考えてみましょう。本来は先日報道された日経新聞の記事のような自動的に年功序列のように賃金が上がるようなものではなく、スキルの習熟を時系列に表したものとしてご理解ください。
続いて地域指数については、都道府県別とエリア別どちらを選択しても良いです。大手派遣会社は都道府県別、中小派遣会社はエリア別を選択する傾向が見受けられます。
通勤費については、実費支給か現行の時給に72円上乗せする方式で、多くの派遣会社は実費支給する傾向にあります。

■参考:厚生労働省 労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html#h2_free2

コラム執筆者

月刊人材ビジネス
株式会社オーピーエヌ

「労働者派遣法」が日本で初めて施工された1986年より、業界唯一の専門誌として人材ビジネス業界の動向や有識者インタビューなど、リアルな業界情報を発信し、業界発展と人材派遣会社の成長に貢献している。

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