「雇用安定措置」について、Q&Aで解説!

 2015年9月末に施行された改正派遣法から3年となる2018年9月。改正法のもとで初の「抵触日」が到来することで生じる「2018年9月問題」。テーマは大きく分けると、派遣スタッフに対する「雇用安定措置」と期間延長を望む派遣先が行う「意見聴取」の2つです。

 今回は、「雇用安定措置」について、Q&A形式で解説します。

Q1.雇用安定措置のひとつである「派遣先への直接雇用の依頼」ですが、「依頼した」ということを文書で残さないとダメですか?
直接雇用されなかった場合は、どういう措置をすればいいでしょう?

 期間制限の抵触日を迎え「継続して就業を希望し同一単位で3年間就業する見込みがある派遣労働者」に対して講じる義務のある「雇用の安定のための措置」は以下の4つです。

①派遣先への直接雇用の依頼
②新たな派遣先の提供
③派遣元事業主においての無期雇用
④その他の雇用の継続が確実にはかられると認められる措置(「教育研修」含む)

①の「派遣先への直接雇用の依頼」は、口頭で行うことも可能ですが、細かいルールを定めた要領では「書面等の交付により行うことが望ましい」とされています。トラブル防止のためにも書面で行う方がいいでしょう。また、派遣元記録台帳には、措置を実施した年月日、内容に加え、採用の可否も併せて記載しておく必要があります。

 直接雇用されなかった場合には、要領で②~④の「別の措置を講じなければならない」と定められていますので、前に挙げた4つから直接雇用依頼以外の措置を講じる必要があります。当然、こうした措置を講じた記録も併せて記載することになります。

Q2.新しい派遣先を紹介したいのですが、元の派遣先より時給が下がりそうです。
問題はありますか?

 要領では、新たな就業機会(派遣先)の提供について「以前の派遣契約により派遣されていた際の待遇等を踏まえ、合理的な範囲のものでなければならない」と明記していますが、時給が下がることが「ただちに不合理である」とはいうことはありません。賃金だけではなく、待遇、通勤距離なども総合的に考慮し、「合理的な範囲か否か」を判断することになります。

 例えば、時給が少し低下するものの、通勤時間が短くなり、お子様の送迎に便利になるなど、本人がメリットを感じ就業を希望するなら、有効な雇用安定措置が講じられたことになります。

Q3.新たな派遣先を提示したのですが、就業を断れました。
就業が決定するまで何度でも紹介を続けなければならないのですか?

 派遣先の紹介については、本人の要望を聴取し、場合によって、積極的に職域などを広げながら次を探すことが肝心です。同時に、要領では、「条件に合致した派遣先を派遣労働者に対して提示した場合には、派遣労働者の事情によって当該派遣先で就業しなかったとしても、派遣元事業主は義務違反とならない」とされていますので、「派遣就業が決定するまで何度でも紹介を繰り返す」ことまでは求められていないと解するのが妥当です。