「意見聴取」について、Q&Aで解説!

 今回は、「事業所単位の期間制限」を延長するための手続きである「意見聴取」について、Q&A形式で解説します。

 「意見聴取」をなぜ、やらなければならないかと言うと、「派遣社員が派遣先の無期雇用労働者に代替されるのを防ぐ」=常用代替防止のためです。つまり、「派遣先」が「自社の無期雇用労働者」に対して、「派遣社員の期間を延長したいのですが、納得してもらえますか?」と聴くのが「意見聴取」。「だったら、派遣元は関係ないんじゃない?」そんなことはありません。ほとんどの派遣先は、派遣に関する法律に対する知識が深いとは言えません。「どうやったらいいの?」という質問が出る可能性はきわめて高いでしょう。そんな時、的確な情報を迅速に伝えられると、信頼感醸成につながるのは言うまでもありません。そこで、派遣先から出そうないくつかの質問について、解説していきます。

Q1.「労働組合」の意見を聴くと聞いたが、労働組合はない。どうすればいい?

意見を聴く相手は、
①派遣先事業所の労働者の過半数を組織する労働組合がある場合は、その労働組合(過半数労働組合)
②過半数労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者
と定められています。

 ②の「過半数を代表する者」をどうやって決めるのかについては、「管理監督者以外の者を投票、挙手など民主的な手続きで選出する」と決められています。36協定や就業規則変更の際と同様だと言えますが、代表者選出の際は、「派遣受け入れ期間延長の意見聴取のためのものです」と明確にする必要があります。目的を明らかにしておけば、36協定の過半数代表者と同一人物であっても構いません。

Q2.意見聴取する際に、相手に知らせなければならないこととは、どんなこと?

過半数労働組合など相手に対して、
① 労働者派遣の役務の提供を受けようとしている事業所
② 3年以内の延長する期間
を「書面」で通知し、参考資料も通知しておくことになります。通知の際の参考資料として例示されているのは、「派遣受け入れ開始からの派遣社員数」「派遣先の無期雇用労働者数の推移」などが挙げられています。

Q3.意見聴取に対して異論が述べられた場合、どうすればいい?

 延長に対して異論が述べられた場合は、抵触日の前日までに、「延長の期間」と「延長の理由」を、派遣の常用代替に関する場合は、「常用代替への対応方針」を説明することになります。常用代替への対応方針としては、「正社員の採用によらず派遣社員を活用する理由の説明」「延長期間を年より短い期間にすること」が考えられます。

Q4.複数の派遣会社から派遣社員を受け入れているけど、どの抵触日が「意見聴取」の対象になるの?

 「事業所単位の抵触日」は、「ある派遣元からの派遣受け入れが始まった日」を起点とするのではなく、複数の派遣元を横断して「その事業所にとって派遣社受け入れが始まった日」となります。つまり、「派遣先にとって一番早く抵触日が到来する日」が、その事業所の「抵触日」となります。この点は混乱しがちなところで、バラバラな抵触日が設定されている状態を放置すれば、「期間制限違反」が生じ、派遣元が指導対象になると共に、派遣先もペナルティーとして「労働契約みなし制度」の対象となり、派遣社員が希望すれば派遣先の意思に関わらず直接雇用しなければならなくなりますので、しっかりと伝えておく必要があります。