2018年9月問題「雇用安定措置」「意見聴取」
「個人単位」「事業所単位」2つの「期間制限」の理解が必須

 2015年9月末に施行された改正派遣法から3年となる2018年9月。改正法のもとでの初の「抵触日」が到来することで、派遣スタッフに影響を与えると同時に、派遣会社にとっては、「絶対やらなければならないこと」「絶対確認しておくべきこと」があります。いわゆる、「2018年9月問題」です。
 「やらなければならないこと」「確認しておくべきこと」で重要なのが、「雇用安定措置」と「意見聴取」です。この二つに対応するには、改正法における「期間制限」を理解しておく必要があります。今回は、この期間制限について解説します。

「個人単位の期間制限3年」の「抵触日」までに「雇用安定措置」を講じる義務あり

 まず、「個人単位」の「期間制限」。改正法では、一部の例外を除き60歳未満で有期雇用の派遣労働者は、派遣先の組織単位ごとに継続して派遣就業ができる限度が「3年」と定められました(改正で廃止された期間制限のない「政令26業務」に就いていた人は、改正法施行3年めの9月末に初めて抵触日を迎えることになります)。これに伴い、派遣労働者は3年ごとに職を失う可能性があり、それを防ぐために派遣会社に「継続して就業を希望し同一単位で3年間就業する見込みがある派遣労働者」に対して「雇用の安定のための措置」を講ずることが義務づけられたのです。

 講ずべき措置は、
①派遣先への直接雇用の依頼
②新たな派遣先の提供
③派遣元事業主においての無期雇用
④その他の雇用の継続が確実にはかられると認められる措置(「教育研修」が含まれます)

の4つ。
 措置を実施した年月日、内容を「記録」しておかなければならなくなったこともポイントです。

「事業所単位の期間制限3年」は派遣先が「意見聴取」をしたら延長可能

 次に「事業所単位」の「期間制限」。改正前は、指揮命令単位ごとに延長できない期間制限3年が設けられていましたが、改正後は前述の「個人単位の期間制限3年」と「事業所単位の期間制限3年」に再編されました。
「事業所単位の期間制限」は延長可能で、そのために必要な手続きが「意見聴取」です。

「意見聴取」とは、
派遣先の常用雇用者(いわゆる正社員)が派遣社員に代替されるのを防ぐため(=常用代替防止)、派遣先がその事業所の「過半数労働者代表」(労働組合か労働組合はない場合には挙手や投票などで選出します)に「派遣社員の就業を延長しますが、意見はありますか?」と聞くこと

 やるのは派遣先ですが、派遣会社が正確な情報提供をすることは重要です。
 例えば、複数の派遣会社から派遣社員を入れている事業所の場合、「事業所単位の抵触日」は、派遣会社を横断して「最初に派遣されてきた人が3年目を迎える日」ですが、派遣会社ごとに抵触日があると誤認しているところがあり、混乱を招きがちです。もし、抵触日を誤認し「期間制限違反」をしてしまうと、その派遣先はペナルティーとして「労働契約申込みみなし制度」(違法派遣を受け入れた派遣先は受け入れている派遣労働者が希望すれば直接雇用しなければならない制度)の対象となります。
 確かなアドバイスをすることは、派遣先からの信頼獲得に役立ちます。

「事業所単位」の期間制限と「個人単位の」の期間制限