サイバックスUniv.
無料体験版 お申込み

お役立ちコラム

令和4年4月1日施行!産後パパ育休制度に対応漏れはありませんか?

2022年08月16日

改正育児介護休業法(令和3年法律第58号)によって、令和4年4月1日から順次、改正内容が施行されることになり、
①育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
②育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
③自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
④自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
上記4点のいずれかの措置を講じることが義務付けられました。

 

更に、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対しては、事業主は育児休業制度等に関する事項(①育児休業・産後パパ育休に関する制度、②育児休業・産後パパ育休の申し出先、③育児休業給付に関すること、④労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い)の周知と、休業の取得意向の確認を個別に行うことも義務化されました。

 

そして、令和4年10月1日からは、いよいよ産後パパ育休制度が創設され、育休とは別に産後パパ育休を取得することができるようになります。
(なお、法令上、労働者は令和4年10月1日より前に、事業主に対して産後パパ育休の申出をすることはできません。ただし、事業主が、法を上回る措置として、産後パパ育休の申出を令和4年10月1日より前に受け、同年10月1日以降、出生時育児休業を取得させることは差し支えありません。)

 

産後パパ育休制度とは、子の出生後8週以内に4週間まで取得することができる柔軟な 育児休業の枠組みです。

 

現行の育児休業と比較して次の3つの特徴があります。
①申出期限が原則として休業の2週間前までとなること
②新制度の中で分割して2回取得することが可能になること
③(労使協定を締結している場合に限り)労働者と事業主が合意した範囲内で、事前に調整した上で休業中に就業することが可能になること

 

今回の法改正は、育児休業に加えて、産後パパ育休制度を創設するものですので、子の出生後8週以内の期間は、労働者の選択により、産後パパ育休と育児休業のどちらも取得可能となります。誤って育休の取得を阻害してしまうことがないよう、留意してください。

 

また、産後パパ育休と称される一方で、当該制度の対象期間である子の出生後8週以内は、出産した女性は通常産後休業期間中になるため、女性が養子を養育している場合なども制度の対象にもなります。

 

なお、令和4年4月1日からは、常時雇用する従業員数が1,000名を超える企業に限られますが、自社の育児休業取得状況の公表も義務付けられました。
前述した本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者への個別周知や取得の意向確認とともに、公表を適切に行わない場合、厚生労働大臣からの勧告が行われ、その勧告を受けてもなお事業主が対応を怠ると、企業名を公表されることがあります。

 

さらに、厚生労働省が作成した令和4年度地方労働行政運営方針によれば、多様な人材の活躍を促進するため、改正育児介護休業法の周知と履行確保に重点的に取り組むとされています。特に、男性の育休取得促進を目的とした出生時育休(産後パパ育休)を労働者に取得させないなどの権利侵害行為や、育休取得を理由とした不当な減給や降格など、不利益取扱いが疑われる事案を把握した場合、事業主に対して報告徴収と是正指導を積極的に実施するなどとされています。

 

コンプライアンス遵守の観点からも、一連の法改正に対する自社の対応漏れがないか、改めて制度を確認・点検するようにしてください。


コラム執筆者

中川 洋子
榎本・藤本総合法律事務 弁護士
東京大学法科大学院修了、2015年弁護士登録(第一東京弁護士会)。
企業法務(労務、会社法、コーポレートガバナンス等)に関する紛争予防、紛争解決、一般民事事件、刑事事件などを取り扱う。
経営法曹会議会員。第一東京弁護士会労働法制委員会委員。

著書・論文

  • 『多様化する労働契約における人事評価の法律実務』(共著、第一東京弁護士会労働法制委員会編、労働開発研究会、2019)
  • 『現在の制度検証から労働組合との交渉まで 制度変更時のプロセスに即した実務課題と紛争予防の視点』(中央経済社「ビジネス法務」2020.12)

導入実績3,597社以上!
オンライン研修で使用している
一部のeラーニング・Webセミナーが
1ヶ月無料で受け放題!

今すぐ資料請求・お問い合わせください!